「人と組織の成長を支援する」情報・サービスのご紹介
人材・組織・経営-専門家コラム
ホーム > 人材・組織・経営-専門家コラム > 株式会社さとゆめ > 第4回:物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。
20150423_2

第4回:物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 取締役 チーフコンサルタント)
人材・組織・経営-専門家コラム

 前号で、物語マーケティングは、“「消費者を主人公」とし、「商品が登場する」物語を、ある一定のルールに則って創作する手法”と紹介しました。今号では、この「ある一定のルール」に焦点を当てたいと思います。

 

 山川悟氏が著された「事例でわかる物語マーケティング」によると、物語マーケティングのルール(約束事)として、以下の4つが挙げられています。

 

 ①典型的なターゲットユーザーを主役とした物語であること

 ②主人公が成長し、成功を得る物語であること

 ③商品・ブランドが主要な役割を果たす物語であること

 ④マーケター自らが創作した物語であること

 

 どれも当たり前のことのように見えるかもしれませんが、私は、このルールを見たときに、マーケティングの本質、そして、今、地域に欠けているものが、このシンプルな4つの項目の中に全て凝縮されていると感じました。

 

 SWOT分析、ターゲティング、ポジショニングなどと言った、マーケティングの技術用語や従来型のメソッドに馴染めない方は、この4項目だけを覚えておくだけでも、相当現場で役立つと思います。

 

 では、順番に見てみましょう。

 

 

①典型的なターゲットユーザーを主役とした物語であること

 

 地方創生、地域活性化の物語の主役は誰でしょうか。

 

 「それは、地域の住民の皆さんに決まっているだろう」「こだわりを持って頑張っている生産者さんじゃないか」と考えるのが一般的でしょう。

 

 もちろん、地域住民や生産者が自分の夢を実現するために、地域の課題を解決するために、汗水流して頑張る姿は美しい。彼らこそが物語の主人公、主役と言いたくなる気持ちも分かります。

 

 ただ、「マーケティング」の観点から見た場合には、主役は、あくまでも「消費者」「ユーザー」であるべきなのです。

 

pencil 消費者、ユーザーが困っていることをどう解決するのか、消費者、ユーザーをハッピーにするためには何が必要か、観光客や都市住民に地域に来てもらうためには、どうしたら良いのか。

 

 地方創生、地域活性化に取り組む際には、自分達は、主役である消費者・ユーザーの物語を演出する「脇役」なのだと自己を定義することが出発点になります。名脇役を目指しましょう。

 

 このことは、企業の新規事業計画、商品開発等においても同様。前号で紹介した、スープ専門店「Soup Stock Tokyo」の最初のきっかけになった企画書も、「恵比寿の日本センタッキー・ブライト・キッチンの秘書室に勤める田中」さんという、典型的なターゲットユーザーを主役にした物語でしたね。そういうことです。

 

 

②主人公が成長し、成功を得る物語であること

 

 物語の主人公が最初から、何不自由なく「成功」していたら、その物語はあまり面白いものではないでしょう。

 

 主人公が抱えた問題を解決するために、あるいは主人公の夢をかなえるために、脇役として伴走していくのが商品・サービスを提供する側の役割。

 

 主人公、つまり典型的なターゲットユーザーが、何に困っているのか、どんな悩みを抱えているのか、どんな夢や目標を持っているのか、そのために何がボトルネックになっているのか。徹底的に考える必要があります。

 

 主人公が困っていること、悩み。こうした、いわゆるユーザーニーズが、商品やサービスを考える上でのアイデアの元になります。

 

 例えば、「Soup Stock Tokyo」の物語は、「ダイエットやナチュラル志向をもった女性が行ける昼食の店がない」(あればいいのに)というユーザーニーズが出発点になっています。

 

 あなたの事業のターゲットユーザーは、何に困っていますか、何に悩んでいますか?今一度考えてみましょう。

 

 物語マーケティングのルール(約束事)の続きは、次号で紹介します。

 

〈 参考資料 〉

「事例でわかる物語マーケティング」(山川悟著、日本能率協会マネジメントセンター、2007年刊)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4820744542

「スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る」(遠山正道著、新潮社、2006年)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4103011513

 


 

shimada


 株式会社さとゆめ
 取締役 チーフコンサルタント 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。全国の隠れた逸品、頑張っている生産者を応援するためのアンテナショップ「さとゆめLAB SHOP」(永田町)も運営。

■会社HP http://satoyume.com/

■さとゆめLAB SHOP https://www.facebook.com/LabSatoyume

 


 

 

バックナンバー : 物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

 ◎第3回 http://www.kensyu.com/info/archives/706
 ◎第2回 http://www.kensyu.com/info/archives/483
 ◎第1回 http://www.kensyu.com/info/archives/69