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第3回:物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 取締役 チーフコンサルタント)
人材・組織・経営-専門家コラム

 さて、いよいよ物語マーケティングの具体的な説明に入ります。

 

 端的に言いますと、物語マーケティングは、“「消費者を主人公」とし、「商品が登場する」物語を、ある一定のルールに則って創作する手法”(山川,2007)です。「商品が登場する」物語は、広告に使ったり、商品のネーミングやパッケージに使ったり、パンフレット等の説明ツールに使ったり、企画書・事業計画書に使ったりと、多様な使い方ができます。

 

 例えば、広告に使っている例としては、皆さんご存知でしょうが、ソフトバンクの「白戸家」のテレビCMがあります。上戸彩が主人公なのはいいとして、犬のお父さん、黒人俳優のダンテ・カーヴァーがお兄さんなど、ハテナマークで頭がいっぱいになってしまいそうな家族構成で、奇想天外なストーリーが展開されるあの有名なCMです。

 

 「え?、消費者が主人公?」と思われるかもしれませんが、サラリーマンの方は、お兄さん(ダンテ・カーヴァー)にいつの間に感情移入してしまったり、娘さんをお持ちの方は、お父さんの犬に感情移入してしまったことはありませんか?そして、気付いたら、ソフトバンクに乗り換えていたり、CMの中に登場する「ただとも」や「ホワイトプラン」などソフトバンクのサービスを申込んでいたりしたことはありませんか?

 

 CMを制作された方が物語マーケティングを意識されていたかどうかは分かりませんが、白戸家のCMシリーズが始まってから、ソフトバンクの携帯事業は急伸していますので、まさに物語マーケティングの成功事例の一つだと言えるでしょう。

 

fb81818b33aa612a9cf1e57c8003b9bb_l また、事業計画の立案に使われている事例としては、食べるスープをコンセプトにしたスープ専門店「Soup Stock Tokyo」(スープストックトーキョー)があります。スープ ストック トーキョーは三菱商事の社内ベンチャーからスタートした事業ですが、当時三菱商事の社員だった遠山正道氏(スープストックトーキョーの運営会社・株式会社スマイルズ社長)が書いた一篇の企画書が全ての始まりでした。

 その13ページの企画書は一風変わったもので、『スープのある1日』という題名で、中身も全て物語風の文章で書かれていました。

 

 「恵比寿の日本センタッキー・ブライト・キッチンの秘書室に勤める田中は、最近駒沢通りに出来た(仮称)Soup Stock の具沢山スープと焼きたてパンが大のお気に入りで、午前中はどのメニューにしようかと気もそぞろだ。(→具沢山スープと焼きたてパン)」

 

 「会社の帰りに1人で立ち寄るのにもとても良い。250mlの赤ワインのミニボトルを横に置いて、雑誌を見ながら1人ゆっくりスープをすすっている女性の姿が大きなガラス面を通して中に見えた。一日の疲れを癒してくれるような、スープの暖かさがこちらに伝わってきた。(→ワインのミニボトル。女性1人で入れるお店)」

 

 と、こんな具合です。スープストック トーキョーのお店はまだ1店舗も存在しないのに、それがもう既にあるかのように描いたのです。

 

 そして、この企画書が会社の上層部も含めて共感を生み、あれよあれよという間に実現に向かって進み出し、今では女性に大人気のブランドになり、店舗数も70店舗以上に広がっているのはご存じの通りです。「具沢山スープと焼きたてパン」「ワインのミニボトル」など、企画書に登場した商品も、もちろん、今実在のお店で提供されています。

 

 この企画書、“「消費者を主人公」とし、「商品が登場する」物語”になっていますよね。このスープストック トーキョーは、物語マーケティングを事業計画の立案に活用した成功事例の一つだと言えるでしょう。

 

 次号では、物語マーケティングの「ルール」に焦点を当ててみたいと思います。

 

〈 参考資料 〉

「事例でわかる物語マーケティング」(山川悟著、日本能率協会マネジメントセンター、2007年刊)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4820744542

「スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る」(遠山正道著、新潮社、2006年)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4103011513

 


 

shimada


 株式会社さとゆめ
 取締役 チーフコンサルタント 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。全国の隠れた逸品、頑張っている生産者を応援するためのアンテナショップ「さとゆめLAB SHOP」(永田町)も運営。

■会社HP http://satoyume.com/

■さとゆめLAB SHOP https://www.facebook.com/LabSatoyume

 


 

 

バックナンバー : 物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

 ◎第2回 http://www.kensyu.com/info/archives/483
 ◎第1回 http://www.kensyu.com/info/archives/69