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最終回:『 ふるさとの夢をかたちに。地方創生の現場から 』

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 代表取締役社長)
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 最近では地方創生と言われることが多いですが、地域活性化・町おこしのような「地域づくり」に関わる仕事を15年ほどやっていると、この地域づくり業界(?)でもトレンドがあることに気づきます。

 

 10年前には、行政も地域のリーダーもみんなが口を揃えて言っていたのに、最近はあまり耳にしなくなった言葉があったり。例えば、「地産地消」という言葉、以前に比べて聞かなくなったような気がしませんか。地域で生産した野菜などを、地域で食べて、地域の中で経済を循環させていこうというコンセプトです。

 

 「地産地消」という言葉があまり聞かれなくなった代わりに、< メールマガジン続き.. >最近耳にすることが増えてきた言葉が「地産都消」です。この10年の間でも徐々に、そして確実に、地方では過疎化・高齢化が進み、地域の購買力が落ちて、地域の中ではますますモノが売れなくなって、「経済の地域内循環」などとキレイごとが言えなくなってきたと。それで、少しでも人が多い都市部にモノを持っていこうという流れが強くなってきたのだと言えます。

 

 そんな「地産都消」のトレンドの中で見なおされているのが、アンテナショップです。ひと昔前は、日本橋や銀座などの一等地に、全国の道府県が競うように路面店を出して、ショーケース的に地域の優れものを陳列するような感じ(そして、税金投入で運営しているので、売れなくても良いというスタンス)でしたが、ここ最近は、しっかりと地域や商品を売って、販路を広げて、地域経済再生の糸口をつかもうという意欲を持ったアンテナショップも出てきています。

 

 我々・株式会社さとゆめが開業を支援している山形県河北町のアンテナショップもその一つです。

 

 河北町は、山形県のほぼ中央、月山の麓に位置し、最上川と寒河江川に囲まれた肥沃な大地に恵まれ、かつては、米と紅花の一大集積地として栄え、最上川の舟運によって京文化と直結しながら、雛人形などの文化を育んできた町です。

 図1_201812stym

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、そんな河北町もご多分に漏れず、人口減少が深刻化しており、市場縮小、高齢化及び後継者不足による廃業、小規模零細企業の営業力不足、労働者不足による生産性の悪化などが懸念されている状況があります。

 

 そんな中、河北町商工会が中心になって、郷土食である「冷たい肉そば」のブランド化によるまちおこしや、「かほくイタリア野菜」ブランド化による産業振興などに取り組んできました。

 図2_201812stym

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 かほくイタリア野菜は、日本では在来野菜の数倍~十倍ほどの高単価の野菜で、それを、独自に栽培方法を研究し、今では年間60種類ほどの栽培に成功し、南青山のアクアパッツアなど有名店も含めイタリアンレストラン等約100店舗や、伊勢丹新宿店などのデパートに販路を広げています。また、冷たい肉そばはB-1グランプリで入賞するなど着実に知名度を上げています。

 

 また、河北町は、紅花の裏作として栽培していた小麦の麦わらを使って、冬の手仕事として生産していた草鞋の系譜からスリッパの生産量日本一の町でもあるのですが、1足1足丁寧に手作りで作る高級スリッパ「かほくスリッパ」も、全国のファンだけでなく、中国や中東の富豪の顧客がついています。

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 これまで商工会で取り組んできた「かほくイタリア野菜」「かほく冷たい肉そば」「かほくスリッパ」などのかほくブランドの認知度や販路をもう一段階広げるために、商工会がリスクを取って「河北町アンテナショップ」を東京につくることになったわけです。

 

国の補助金も使っていますが、足りない分は、商工会の職員が知恵を絞って、足で稼いで、クラウドファンディングや町内事業者の寄付で700万円以上を集めて、開業にこぎつけました。県レベルのアンテナショップは、県が毎年数千万円を投入することで何とか維持しているところが多いですが、ここは、まさに自力で運営していこうとしています。

 

小さな町や村は、国や県頼みでは生き残っていけないし、やれば出来る。そんな勇気を、このプロジェクトで河北町商工会の皆さんと一緒に動いていて、頂いたような気がします。

 

年明け1月11日(金)に、東京都世田谷区三軒茶屋(田園都市線・三軒茶屋駅徒歩1分)にオープン予定ですので、ぜひ、「地産都消」の最前線の試みを見に来て頂ければと思います。

 

〇店舗名:山形県河北町アンテナショップ かほくらし

     1階:かほくセレクトショップ 雛音

     2階:かほくビストロ割烹 華音

〇住所:〒154-0024東京都世田谷区三軒茶屋2-12-10(三軒茶屋駅 世田谷通り出口より徒歩3分)

〇電話:かほくセレクトショップ 雛音 TEL/03-5779-4045 FAX/03-5779-4046

かほくビストロ割烹 華音 TEL/03-5779-4055 FAX/03-5779-4056

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 連載『 ふるさとの夢をかたちに。地方創生の現場から 』は今号で一旦終了となります。今後も、機会があれば、皆様に地方創生の情報を発信していきたいと思います。

 

 


 

shimada


 株式会社さとゆめ
 代表取締役社長 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。
技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。

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