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第4回:『 ふるさとの夢をかたちに。地方創生の現場から 』

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 代表取締役社長)
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 第3回(2017年11月号)では、アゼルバイジャンのことを書きましたが、今号も海外のことを取り上げます。今回ご紹介するのは、タイでのお仕事です。タイは、訪日ビザの緩和や所得水準の向上などで、< メールマガジン続き.. >ここ5年程で訪日客数が倍増して、年間100万人を超えるほどになっている他、日本食ブームでバンコク市内だけで日本食レストランが2000店以上あると言われています。

 

 こうしたことを背景に、タイからのインバウンド観光客の誘致や、タイへの地域産品の販路開拓・プロモーションが、各地域で積極的に行われています。我々も、千葉県観光物産協会からの受託により、千葉県産野菜や加工品のタイへの販路開拓に過去3年程取り組んでいます。

 

 海外への販路開拓の方法は、色々と方法がありますが、今回の千葉県観光物産協会のように、会員制組織の場合は、会員の中から海外輸出に興味のある企業に手を挙げてもらって、その企業の商品を、百貨店やスーパーでテスト販売・プロモーションしたり、バイヤーとの商談会で取引交渉をしたりするのが一般的です。

 

 百貨店やスーパーでのテスト販売の目的は、そこで1週間なり、2週間なり「〇〇フェア」として販売することで、「沢山売れた」という実績を作って、その百貨店等のバイヤーさんに「この商品はぜひうちの売り場で常時販売したい」と思ってもらい、フェアの後の継続的な取引に繋げることです。

 

 まず、どの百貨店やスーパーにターゲットとするかという点が重要です。今回のプロジェクトでは、1年目は日本人駐在員やその家族が良く行く日系の百貨店でフェアを開催しましたが、思ったより売上が伸びませんでした。そこで、2年目からは、タイ人の富裕層が買い物に来る現地資本の百貨店でフェアを開催したところ、数倍に売り上げが伸びました。

 

 私はタイには、定期的に仕事で訪れますが、十数年前には、日系百貨店のほうが、現地資本の百貨店よりも圧倒的に賑わっていた記憶がありました。それが、今では、タイ人富裕層のほうが、タイに住む日本人より圧倒的に高い購買力を持つことをまざまざと見せつけられたかたちです。

 

 次に店が決まったら、そこで売れなければなりません。タイのバンコクは今日本を始め、世界中から魅力的な商品が集まっており、売り場内でし烈な争いが繰り広げられているので簡単なことではありません。商品のラインナップや、販売価格ともに改善していかなければなりません。特に価格に関しては、関税や輸送費などの流通コストを乗せていくと、日本での販売価格の3倍から4倍になってしまうので、コスト削減の様々な工夫が必要です。我々は、2年目は生鮮品が多かったので航空便で対応していたものを、3年目は生鮮も含めて船便にするなどにより、販売価格を2年目の半分以下(それでも日本での販売価格の倍)に抑えることができました。

 

 そうした試行錯誤により、3年目の今年は、多くの商品に対して、バイヤーから継続販売の打診を頂くことができました。さらには、飲食店向けのBtoBでの営業もかけたところ、ミシュランの星付きレストランをはじめとするバンコク市内飲食店4店舗が、千葉県産のイチゴを使ったデザートメニューを1週間~10日間提供する「千葉デザートフェア」が実現し、その後も継続的に使いたいと言ってもらっています。

 

 なお、イチゴの輸出に関しては、2年目に、タイに到着したイチゴの半分くらいがひどいダメージを受けて、売り物にならなかったという痛い思いをしていることから、今年は、千葉大学と組んで、多少の揺れでもダメージを受けにくい、イチゴ輸出用の新しいパッケージ開発にも取り組みました。

 

 このように、海外では、特に東南アジア諸国は、所得水準や日本への関心度、日本産品へのニーズなどが大きな変化を迎えていることもあり、試行錯誤しながら最適な販路開拓手法を模索しているところです。マレーシア、台湾への地域産品の販路開拓などにも取り組んでいるので、折々でご紹介します。

 

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 株式会社さとゆめ
 代表取締役社長 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。
技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。

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