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今、ミドルマネジャーには何が求められているのか

伊藤克彦(株式会社HPT研究所 代表取締役)
人材・組織・経営-専門家コラム

 世の中、大手企業を中心に昨年に増して賃上げの話題が多くなって、景気がよくなってきている実感が広がっているように感じられるが、景気の先行きに関しては慎重な姿勢を示す企業が多いとも言われている。様々な企業が一寸先は闇という経験をしてきているからであろうか。まさに時代は将来を見通すことが困難で不安定な環境といえるだろう。こうした中、企業のミドルマネジメント層(部長、課長)に経営トップから求められる要件はどう変化しているのだろうか。富士ゼロックス総研が今年になって発表した32社、37人の事業トップへのインタビュー分析の結果を紹介したい。それによると、部長に対しては、「経営的・全体最適の視点で考えること」、「トップの意図と現場の状況を理解し、橋渡し役をすること」、「方向性を示し、そこからずれないように舵取りをする」といったことなどが、課長に対しては、「部下一人ひとりを理解し、やる気を引き出すこと」、「上位戦略に現場特性を加味して課の戦略を策定し、実行すること」、「部下一人ひとりにやるべきことをきちんと指示し、徹底させること」、「PDCAの徹底」といったことなどが事業トップから求められていた。これらを整理して、ミドルマネジャーに求められるマネジメントは「方向づける(戦略のマネジメント)」と「力を引き出す(部下と組織のマネジメント)」に大別されるとしている。それに自己のマネジメントを加えて「戦略」「部下」「組織」「自己」という4つのマネジメント視点を提唱していた。

 

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 部長には経営目線を求め、課長には部下や現場の理解を求めるといったことであろうか。何故、そうしたことが求められるのかという点については、部長には「組織」のマネジメント、具体的には、「トップの意図と現場の状況を理解し、橋渡し役をすること」や「課が戦略を実行できるよう、会社や他部門との調整をすること」、「重要顧客や協力会社との関係性を構築・維持すること」を求めていることから、組織間のネットワークを作ることで、個々の組織が単独で動いていたのでは達成できないような目標を達成させることを期待しており、課長には「部下」のマネジメント、具体的には「部下個々を理解し、やる気を引き出す」、「部下を指導・育成すること」を求め、部下の可能性を最大限引出し、より多くの力を発揮させることを期待しているからであろうとしている。

 戦略実行に秀でた優秀なミドルマネジャーの特徴としては、部長では、「他者を尊重し、誠実に対応している」「先々の展開を十分考えて、判断している」「日頃から様々な部門とコミュニケーションしている」「部下1人ひとりに感心を持ち、状況を常に把握している」といったことが、課長では、「部下1人ひとりに感心を持ち、状況を常に把握している」、「指示待ちではなく、自分自身で考え、行動している」、「仕事の結果や自分自身のことを振り返っている」などがあがっていたが、印象的だったのは、実務能力の高さを挙げるトップが少なからずいたことである。こうした点から部長には対人コミュニケーション能力、課長には実務能力に裏付けられた部下マネジメント力が重要ということがいえるだろう。

 


 

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 株式会社HPT研究所
 代表取締役 伊藤 克彦


1979年 株式会社リクルート入社、人材総合サービス部門で1000社を超える企業の採用、教育、人事処遇に関する業務に従事。その後、映像事業部門でプロデューサーとして教育映像コンテンツ制作他に携わる。

ダイエーの資本参加に伴って福岡ドーム事業に参加。主として法人営業部門を担当。リクルート復職後、広告局長、営業教育事業部門の責任者を経て、2002年独立しHPT研究所を設立、今日にいたる。

専門分野:組織変革、ビジョン・戦略構築、人事制度設計、教育制度設計、研修プログラム開発、マネジメント教育 他
広島大学教育学部(心理学科)卒

 


 

株式会社HPT研究所

経営の実行プロセスである「戦略」「業務」「人事」という3つの領域で、コンサルサービスを提供している。社名のHPTはHuman Performance Technologyの略。 人と組織の行動成果をいかに高め企業業績を向上させるかをテーマに様々な取組みを行っている。

■会社HP http://www.hpt-lab.com