「人と組織の成長を支援する」情報・サービスのご紹介
cts_clm_201504_01

ICTがもたらした社会の変化

伊藤克彦(株式会社HPT研究所 代表取締役)
人材・組織・経営-専門家コラム

 先日、弊社のパートナー企業であるICT分野を専門としたマーケティングコンサル会社の15周年記念のイベントがあった。そこでは、そのコンサル会社の社長から社会の変化とこれからの有り様についての問題提起の後、そうした社会の変化を< メールマガジン続き.. >どう起業機会として捉え活かすかの事例として2社のスタートアップ企業のプレゼンがあった。その後、それらを受けてシステム、マーケティング、コンサル、起業の専門家のパネルディスカッションが繰り広げられていた。

 

 これらの中で一貫して提唱されていたのは、社会が資本主義の運用に適したピラミッド型の構造から、自律分散型のネットワーク構造に変化してきているということであった。そしてそこでは、つくる側、売る側、買う側といった立場の違いの垣根はなくなり、誰でもがつくる側になり、売る側になり、買う側になるといった状況が生まれ、そこでのキーワードは「共創」であるという。

 

 確かに、最近話題のシェアリングエコノミー(不特定多数の人々がインターネットを介して乗り物・スペース・モノ・ヒト・カネなどを共有できる場を提供するサービスのことを指す)といった分野では、仲介サイトを通して、誰もが、部屋や車、服、等の所有物や自らの経験や能力をネットを介して提供することが出来るようになってきているし、その場で、お互いの智慧や経験を活かした商品やサービス開発がオープンになされるようになってきている。また、ブロガーやユーチューバー等、こうしたネット社会のインフルエンサーも注目を集め、影響力を増している。

 

hpt201802 こうした中、重要なのは、それぞれの社会への問題意識や思いであり、そこにストーリーが介在することで人が集い、場が生まれるという。そしてそのストーリーを実現するプロセスを支援することに新たなビジネス機会が生まれるという主張であった。

 

 こうした場をいかにうまく提供できるかにこれからの起業機会として可能性を感じているということであり、そこでは、モノやサービスを提供し、お金をいただくというこれまでの図式を越えた新たな仕組みが生まれつつあるという。そして、その将来は、意外にも江戸の庶民文化にヒントが隠されているという。高度産業化社会の前の、人と人の生活の有り様に。その時代の不便をICT技術が解消するため、人と人が生活者として改めて向き合い、関係性を再構築する社会がくるといった話であった。

 

 こうしたネットワーク社会では、そこでの互恵関係がお互いの信頼を繋ぐ上で重要になる。それがレーティングによってランキングされたり、評価されることになる。そのため、一端ネット社会でダメ出しの烙印を押されると排除の論理が働き復活が難しい状況も生まれつつあるという。若い世代はこうした状況に難なく馴染み、IT機器を自らの一部のように使いこなしている。こうした世代と、これまでの日本を支えてきた世代との意識ギャップも益々激しくなるという。

 

 これらのことから、企業社会におけるこれまでの相互の関係性も変容を余儀なくされることは想像に難くない。今、進行しつつあるこうした社会の変化に耳を傾ける重要な時期かもしれない。

 

 


 

hpt_katsuhiko.ito

 株式会社HPT研究所
 代表取締役 伊藤 克彦

 

 

 

1979年 株式会社リクルート入社、人材総合サービス部門で1000社を超える企業の採用、教育、人事処遇に関する業務に従事。その後、映像事業部門でプロデューサーとして教育映像コンテンツ制作他に携わる。

ダイエーの資本参加に伴って福岡ドーム事業に参加。主として法人営業部門を担当。リクルート復職後、広告局長、営業教育事業部門の責任者を経て、2002年独立しHPT研究所を設立、今日にいたる。

専門分野:組織変革、ビジョン・戦略構築、人事制度設計、教育制度設計、研修プログラム開発、マネジメント教育 他
広島大学教育学部(心理学科)卒

 


 

株式会社HPT研究所

経営の実行プロセスである「戦略」「業務」「人事」という3つの領域で、コンサルサービスを提供している。社名のHPTはHuman Performance Technologyの略。 人と組織の行動成果をいかに高め企業業績を向上させるかをテーマに様々な取組みを行っている。

■会社HP http://www.hpt-lab.com

 


 

 

バックナンバー(最近の記事)

 ◎人手不足時代の人事施策(http://www.kensyu.com/info/archives/3856
 ◎日本企業の働き方の実態と取組みから見えてくるもの(http://www.kensyu.com/info/archives/3829
 ◎日本企業の不祥事の背景(http://www.kensyu.com/info/archives/3804
 ◎人口問題の危機2042年(http://www.kensyu.com/info/archives/3632
 ◎生産性向上と中間管理職の役割(http://www.kensyu.com/info/archives/3573