「人と組織の成長を支援する」情報・サービスのご紹介
人材・組織・経営-専門家コラム
ホーム > 人材・組織・経営-専門家コラム > 株式会社さとゆめ > 第2回:『 ふるさとの夢をかたちに。地方創生の現場から 』
regional revitalization

第2回:『 ふるさとの夢をかたちに。地方創生の現場から 』

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 取締役 チーフコンサルタント)
人材・組織・経営-専門家コラム

 東日本大震災から7年目を迎える2018年3月11日、津波で多くの犠牲者を出した福島県いわき市北部・久之浜地区に鎮魂のあかりが灯ります。このライトアップイベント「つむぐ・ともす・かなでる ふくしまメモリアルライトアップ2018 in 久之浜」は、< メールマガジン続き.. >「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の一環で開催されるものです。

 

写真1 : 糸紡ぎやランプシェードづくりを担う「織姫の会」の皆さん

stym201709

 ことの背景から説明しましょう。在来種の綿花を有機栽培で育て、福島に新たな産業を生み出すことを目指し、いわき市で活動していたNPOが中心になって2012年に立ち上げた「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」は、都市部からの栽培ボランティアや都市部の企業の協力を得ながら活動しており、栽培ボランティアの参加者数は、直近3年間で12,000人を超えます。

 

(参考)ふくしまオーガニックコットンプロジェクト

 http://www.iwaki-otentosun.jp/cotton/

 

 そういった内外の支援により、2016年には栽培面積は約2.6 ヘクタール、コットン収穫量は1トンを超えるなど、着実な広がりを見せていますが、栽培したコットンのワタを糸に、糸を製品に加工する体制が地域内にないことが当初からの課題となっていました。ワタのまま服飾企業に販売したり、外部の繊維工場に糸やハンカチ等の製品にしてもらったりという取組みはされていましたが、付加価値を付けて地域に利益を残し、雇用、さらには産業を生み出すためには、地域内での加工が不可欠だからです。

 

 しかし、ふくしまオーガニックコットンプロジェクトの現状を踏まえると、紡績機械を入れるほどの資源量・事業規模ではないため、有志が手仕事で糸を紡ぐソーシャルムーブメントを広げていく戦略が立てられました。その手紡ぎの糸から球形のランプシェードを多数作って、ソーラー発電の電力で鎮魂のあかりを灯すシンボリックなイベントが、冒頭のライトアップになります。なお、ランプシェードは、非常にデザイン性に優れ、女性にも好まれる製品へとなりつつあるので、今後商品としての販売も視野に入れています。

 

 私は、2015年から、コンサルタントとしてムーブメントの戦略策定やイベントの企画に携わっているのですが、このソーシャルムーブメントを介して、糸だけではなく、人の縁も紡がれていくのを興味深く見ています。

 

 コットン栽培のボランティアツアーに参加していた長野県在住木工作家の山田義明さんが糸紡ぎの木製器具(スピンドルやチャルカとよばれるもの)の開発に協力してくださったり、古布を使った織物に取り組んでいた地域女性団体「織姫の会」(=写真)が糸紡ぎやランプシェードづくりで活躍してくださったり。さらには、活動に参加していたいわき市内の木工作家が、福島県産材を使って、福島オリジナルの器具の生産体制を構築しようと尽力してくださっています。

 

写真2 : 新たに独自開発した糸紡ぎ等に使う木製器具

stym201709.2

 紡がれた糸がランプシェードとなって地域と人の心にあかりを灯し、さらには、縦糸横糸となって製品を生み出し、地域に雇用と産業を創出することを目指しています。

 

 ご関心のある方は、ぜひ糸紡ぎやランプシェードづくりに参加ください。また、CSR活動や社員研修等でこの活動を支援、参画したいとお考えの企業の方は、大歓迎ですので、ぜひご連絡ください。

 

 

 地方創生と一言で言っても、行政が取り組むもの、企業が取り組むもの、NPOが取り組むもの、それらが一緒になって取り組むもの、様々なカタチがあります。

 

 いずれにしても、ふくしまオーガニックコットンプロジェクトが、コットンの栽培を開始してから5年経ってようやく地域内での加工体制が出来つつあることからもわかるように、地域で新しいことを立ち上げていくためには、時間をかけての地道な姿勢が欠かせません。

 

 


 

shimada


 株式会社さとゆめ
 取締役 チーフコンサルタント 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。
技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。

■会社HP http://satoyume.com/

■フェイスブック https://www.facebook.com/LabSatoyume