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第15回:物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 取締役 チーフコンサルタント)
人材・組織・経営-専門家コラム

 第14回は、物語マーケティングを活用した事例として、福島県広野町で展開されている「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の商品をご紹介しましたが、今回は同じく広野町で生まれた商品をもう一つ紹介したいと思います。

 

広野町の住民たちが立ち上げたNPO法人広野わいわいプロジェクトの「広野町産 米粉のビスコッティ」です。

 

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 広野町は、福島県 浜通り地方の中部、双葉郡の最も南に位置し、冬でも雪の少ない温暖な気候が特徴で、「東北に春を告げる町」とも呼ばれています。

 

 そんな広野町ですが、東日本大震災後、約半年間に渡って町全域が緊急時避難準備区域に指定され、いまだに帰還した町民が半数程度にとどまっている状況です。また、風評被害から生産者が農業を断念したり、農家の後継者不足などにより、遊休農地・耕作放棄地も年々増加し続けています。

 

 その広野町の住民たちが2016年に設立されたNPO法人広野わいわいプロジェクトは、この町で震災によって一度は失われかけた地域のコミュニティを再生することで広野町に「にぎわい」と「なりわい」を取り戻し、地域に活気と生きがいをつくることを目的に活動しています。

 

 私たちは、NPO法人広野わいわいプロジェクトの方から声を掛けて頂き、広野町の食材を使った特産品の開発事業に参画しています。商品を通じて地域内外へ広野町の魅力を発信して広野町に来てもらうこと、地元のお母さん方の手仕事をつくることを目的とした、まさに「にぎわい」と「なりわい」を生み出す「わいわい商品」です。

 

 NPOのメンバーや、商品開発に関心を持ってくれた地元住民や地元の高校生たちとワークショップを重ね、目をつけたのが広野町のお米です。お米は、2015年より農産物の風評被害払拭のため、また、町の農業の再生に向けて生産・販売が開始された特別栽培米コシヒカリ。

 

 このお米をどう加工し、売っていくかを、物語マーケティングの手法も活用しながら検討しました。ボランティアで広野町に来てくださっている都市部の方々、特に熱心に足を運んでくださる30代・40代の女性を主人公に設定し、彼女たちが、広野町でその商品を購入し、持ち帰ってオフィスやご自宅で同僚や友人・家族と一緒に食べて、広野町のことに関心を持つ方々の輪が広がるきっかけをつくれるような物語を、この商品が紡いでいけないだろうかと。

 

 「新しさ」「おしゃれ感」「健康」に関心を持つ彼女たちに喜んでもらえる「新しいヘルシースイーツ」としてアイデアが出たのが、今国内でもじわじわと人気が広がってきているイタリアの伝統焼き菓子ビスコッティを、小麦粉生地ではなく、米粉生地でつくる「米粉のビスコッティ」です。

 

 商品化に向けて協力してくれたのが、千葉県で活躍中のビスコッティ専門店・ビナーシェの山本慎弥さんです。
 イタリア伝統焼き菓子 ビスコッティ専門店 Binasce(ビナーシェ) http://www.binasce.com/

 

 本場・フィレンツェで学び、地元・千葉県産の有機栽培落花生を使ったビスコッティも手掛けるなど地域に対する思いを持った山本さんの協力のもと、地元での試作ワークショップや町を訪れるボランティアの皆さんへの試食アンケートなどを繰り返し、満足のいく商品が作れるよう、地域内外の人びとが力をあわせてきました。

 

 この3月に、東京・日本橋の福島県アンテナショップMIDETTEで、「広野町産えごま味」「アーモンド味」「黒ゴマ&きな粉味」の3種を先行発売しましたが、あっという間に品切れになるほどの、好評を得ることができました。また、福島県内、東京都内のお店からうちで販売してくれないかと沢山のお声掛けも頂きました。

 

 来店者を対象にしたアンケートでは、物語の主人公に設定した30代~40代の女性が特に沢山購入してくださり、また高い評価をくださいました。商品開発中に描いたような、この商品をきっかけに広野町の応援の輪が広がる物語を生み出すべく、今、地元での本格的な生産体制の構築を進めています。今後の展開にぜひご期待ください。

 

 


 

shimada


 株式会社さとゆめ
 取締役 チーフコンサルタント 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。
技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。全国の隠れた逸品、頑張っている生産者を応援するためのアンテナショップ「さとゆめLAB SHOP」(永田町)も運営。

■会社HP http://satoyume.com/

■さとゆめLAB SHOP https://www.facebook.com/LabSatoyume

 


 

 

バックナンバー : 物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

 ◎第14回 http://www.kensyu.com/info/archives/2668
 ◎第13回 http://www.kensyu.com/info/archives/2472
 ◎第12回 http://www.kensyu.com/info/archives/2190
 ◎第11回 http://www.kensyu.com/info/archives/1972
 ◎第10回 http://www.kensyu.com/info/archives/1792
 ◎第09回 http://www.kensyu.com/info/archives/1686
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