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経営学におけるリーダーシップの在り方

伊藤克彦(株式会社HPT研究所 代表取締役)
人材・組織・経営-専門家コラム

 リーダーシップは、過去様々な研究が行われており文献も多いが、最近の経営学の知見として早稲田大学ビジネススクールの入山准教授がその著書「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」で以下の2種類のリーダーシップを紹介している。それは、「トランザクティブ・リーダーシップ」と「トランスフォーメーショナル・リーダーシップ」である。

 

 トランザクティブ・リーダーシップは、部下の意思を尊重し、部下とのやり取りにおいてまさに取引のように「飴と鞭」を使い分けるリーダーシップの有り様である。これは3つの資質に基づくといわれている。ひとつは、「状況に応じて金銭的、非金銭的報酬をあたえ、さらなる期待行動や成果を引き出す」資質である。次に部下が犯す失敗にどう対処するかという観点から、「部下が失敗を起こす前の予防的介入を重視する」か「実際に失敗してから介入するか」というものである。

 

 トランスフォーメーショナル・リーダーシップは、啓蒙を重視し、以下の4つの資質から構成されている。①組織ミッションを明確に掲げ、部下の組織へのロイヤリティを高める、②事業の将来性や魅力を前向きに表現し、部下のモチベーションを高める、③常に新しい視点を持ち込み、部下のやる気を刺激する、④部下一人ひとりと個別に向き合いその成長を重視する、の4つである。

 

 「トランザクティブ・リーダーシップ」と「トランスフォーメーショナル・リーダーシップ」は、ともに各個人が両方の資質も持ち合わせることもあるとされており、状況に応じての使い分けが必要ということのようであるが、トランスフォーメーショナル・リーダーシップの4資質とトランザクショナル・リーダーシップの状況に応じて金銭的、非金銭的報酬をあたえ、さらなる期待行動や成果を引き出すという資質は組織業績との相関が高いという研究結果が報告されている。

 

leader 日本では、マネジメント研修などにおいて、重視されているのはトランスフォーメーショナル・リーダーシップのほうであろう。それはこのリーダーシップは、不確実性が高い環境で、業績を高める効果があるとされており、現在の事業環境とマッチしていると判断されているからであると推測される。反面、事業環境が安定している中では、マイナスに働くこともあることが報告されている。現在の日本の事業環境は、将来の人口減、高齢化、グローバル競争の激化等を睨んだ閉塞状況にあるがこうした環境下、何とか現状を打破し、新たな取組みや挑戦を鼓舞する経営者は多い。

 

 一方で、こうしたトランスフォーメーショナル・リーダーシップは、女性の方が高い資質を示すという研究結果もあるようである。それは、女性は社会的イメージから、男性的なリーダーシップより、啓蒙的なリーダーシップを身に着けやすいとされていることからという。こういう面からも女性の活躍促進を考えてみてはどうだろうか?

 

 


 

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 株式会社HPT研究所
 代表取締役 伊藤 克彦

 

 

 

1979年 株式会社リクルート入社、人材総合サービス部門で1000社を超える企業の採用、教育、人事処遇に関する業務に従事。その後、映像事業部門でプロデューサーとして教育映像コンテンツ制作他に携わる。

ダイエーの資本参加に伴って福岡ドーム事業に参加。主として法人営業部門を担当。リクルート復職後、広告局長、営業教育事業部門の責任者を経て、2002年独立しHPT研究所を設立、今日にいたる。

専門分野:組織変革、ビジョン・戦略構築、人事制度設計、教育制度設計、研修プログラム開発、マネジメント教育 他
広島大学教育学部(心理学科)卒

 


 

株式会社HPT研究所

経営の実行プロセスである「戦略」「業務」「人事」という3つの領域で、コンサルサービスを提供している。社名のHPTはHuman Performance Technologyの略。 人と組織の行動成果をいかに高め企業業績を向上させるかをテーマに様々な取組みを行っている。

■会社HP http://www.hpt-lab.com