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第8回:物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

嶋田俊平(株式会社さとゆめ 取締役 チーフコンサルタント)
人材・組織・経営-専門家コラム

 前号では、地域住民や事業者とともに新しい商品や事業のプランをつくる際の物語マーケティングの活用方法として、「ステップ1 主人公の設定」と「ステップ2 ストーリーづくり」の2つのステップについて、説明しました。今号では、その続きについて説明します。

 続きは、以下のステップ3~5と進んでいきます。これで物語マーケティングを活用したプランづくりが一通り完了です。

■ステップ3 物語のマップづくり

■ステップ4 物語の年表づくり

■ステップ5 物語の計画への落とし込み

 

 私は、事業計画づくりは映画づくりに似ていると思っているのですが、ステップ1は映画の登場人物のキャスティング、ステップ2はシナリオ(台本)づくりと言えるでしょう。

 

 そして、これから紹介する「ステップ3 物語のマップづくり」は映画のロケハン(ロケーション・ハンティング:映画の舞台探し)、「ステップ4 物語の年表づくり」は映画の時代設定・時代考証、「ステップ5 物語の計画への落とし込み」は映画のプロデューサーになったつもりで、制作費用獲得方法や動員目標などを検討するのに似ています。

 

 それぞれのステップの進め方を説明します。

 

 

■ステップ3 物語のマップづくり

 

 まず、物語の舞台となる地域の白地図をテーブルに広げます。そして、ステップ2で考えたストーリーの中に登場する観光スポット、施設、企業、駅、道等を地図から探し出して、色マジックでマーキングしていきます。そして、それらが物語の中でどのような役割を担うのかを書き込んでいきます。

 

 例えば、下の写真は、長崎県対馬市の志多留という集落で、集落内の使われていない古民家の活用計画を考えるワークショップを実施した際に、マップづくりのワークで使った白地図です。このように、物語の様々な場面を実際の地図に落としこんでいくことで、いよいよ物語が現実(リアル)に近づいてきます。

map

 ◎写真1:長崎県対馬市での物語マーケティングの
     ワークショップで作成したマップ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ステップ4 物語の年表づくり

 

 物語の年表づくりは、ステップ2で考えたストーリーを現実化しようとすると、どれくらいの準備期間が必要か、物語の4つの段階(①「越境」→②「危機」→③「成長」→④「勝利」)がどれくらいのスケジュール感で進んでいくのかを、年表に落とし込んでいく作業です。

 

 その時に、図1のような表を使うわけですが、ここにちょっとした仕掛けがあります。年表は、「物語の年表」(上の欄)と「私の年表」(下の欄)に分けられています。

 

図1

◎図1:物語の年表づくりで用いる模造紙

 まず、 「物語の年表」に、物語の様々な出来事が、いつ頃起こりそうか/実現できそうかを考え、付箋に書いて貼っていきます。次に、「私の年表」に、そのとき、自分がどのような役割を担えるか、どんな自分になっていたいかを、付箋に書いて貼っていきます。

 

 

 

 このワークでは、事業立上げから事業の発展までのリアルなロードマップができるだけではなく、「私の年表」を書き込んでいくことで、参加者がどう事業にコミットするのかを認識する、つまり事業の自分事(じぶんごと)化の効果があります。ステップ1やステップ2で、「こんなことが実現したらいいな」と(いわば他人事のように)語っていた理想が、明確な事業目標となり、その目標を達成するために自分が果たすべき役割がいつの間にか、ロードマップに落とし込まれているのです。

 

 下の写真は、先ほど紹介した長崎県対馬市の志多留集落でのワークで作った年表です。この年表は、ワークショップが終わった後も集落の公民館の壁に貼られていて、住民達の事業の進捗を管理したり、役割を再認識することに活用されています。

 

◎写真2:長崎県対馬市での物語マーケティングのワークショップで作成した年表
chronology

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上がステップ3、4の進め方です。次号ではステップ5について説明します。

 

 


 

shimada


 株式会社さとゆめ
 取締役 チーフコンサルタント 嶋田 俊平

京都大学大学院農学研究科修了。環境保全・地域振興の専門コンサルタント会社勤務を経て、2013年5月 株式会社さとゆめ 設立。コミュニティビジネスの計画策定から事業の立上げ、商品開発、販路開拓、店舗プロデュースまで、トコトン地域と伴走するコンサルタントとして、全国を飛び回る日々。
技術士(環境部門、森林部門)。

個人ブログ「日本再発見ノート」 http://shumpeishimada.hatenablog.com/

 


 

株式会社さとゆめ

「ふるさとの夢をかたちに」を合言葉として、持続可能な地域づくりのためのヒト・モノ・コト・バづくりをトータルコーディネートする伴走型コンサルティング会社。全国の隠れた逸品、頑張っている生産者を応援するためのアンテナショップ「さとゆめLAB SHOP」(永田町)も運営。

■会社HP http://satoyume.com/

■さとゆめLAB SHOP https://www.facebook.com/LabSatoyume

 


 

 

バックナンバー : 物語マーケティングで、地域と企業を活性化しよう。

 ◎第7回 http://www.kensyu.com/info/archives/1520
 ◎第6回 http://www.kensyu.com/info/archives/1246
 ◎第5回 http://www.kensyu.com/info/archives/1163
 ◎第4回 http://www.kensyu.com/info/archives/985
 ◎第3回 http://www.kensyu.com/info/archives/706
 ◎第2回 http://www.kensyu.com/info/archives/483
 ◎第1回 http://www.kensyu.com/info/archives/69